無題 XII no.1
左側の本を撮影した作品はただ一枚の本をパシャリとしただけかとおもう。
ちがうんだ。
未完の小説から抜き出して文章をつくって活字に組んで印刷してからそれを撮ったそうだ。
んー意味がわからない。
これが現代アートなんだよな。
デジタルのよさをよく知っている。2メートル、3メートルでプリントされた写真。
これまでではボケたりドットが滲んだりするし、ピンとが中心やみせたいものに合うのが写真だった。
彼の作品はほぼ全て奥のほうまでピンとがあっている。
奥行きがあって海だとわかるのに、実は妙におかしいと思う図だったり、F1ピットストップに至っては絶対ありえない構図なのに写真として成立させている。(影の傾きが違う車が二台ならんでるんだ)
フランクフルトというタイトルの空港内写真。フライトボードは朝から晩までの発着情報になっている。ヒトはたくさん出入りしているがみんなピントもあっている。
つまり、複数の写真を巧妙に合成して作りあわせている作品なんだ。
画像処理によって不要なものを削除し確実に視野角に訴える作品化をしている。
多くの作品は自然が多い。ゴミや車とか電線を削除して建物を強調していたりするけど、ヒトを集めた写真も多い。その場合、登場するすべての人が生きている、役割を見えるように撮影されている。
これは1枚撮って終わりではなく、何枚もとってヒト毎に合成しているんだろう。
タイポロジーなんていう美学があるけれど(現代美術用語は疎いためちょっと揶揄しちゃうけど)
大きな掲示においてやっと彼の良さがわかった気がした。
ネットや写真集じゃなくて美術館で是非みてください。