映画「インターステラー」宇宙に望みはあるのだろうか


絶望の地球。宇宙への望み。未来と過去と絆をつなぐ多次元の世界へ。

クリストファーノーラン監督だし、弟ジョナサン脚本の注目作品。
この作品は映像的にCG多様にみえるが、ダークナイトのように人間臭さをだすノーランらしくCGを極端に削りリアルな描写で撮影されている。
そのため長めのカットが多い。日常やシーンに時間を置いて撮影しているようで、雰囲気作りの効果は抜群だった。しかし3時間は長いので心してみるように。

植物の枯渇、異常気象による地球はついに終端に向かっている。
農場経営の元宇宙飛行士クーパーと娘マーフ。家で起こる奇怪なことが重力波の影響ではと計算しメッセージを探る。そしてNASAがまだ存在しワームホールからさらなる宇宙に移民する計画を知ることになる。実現性、そして地球の未来含め全てが未知の未来に向けて出発するクーパーら三人の宇宙飛行士。全人類、自分の娘マーフのために必ず帰ると約束した。
超重力により時間単価が変わる星に降り、1時間で7年を過ごす船員たち。さらに様々なトラブルと立ち向かい地球の数十年をかけてたどり着いた答えは・・・

空想と宇宙物理が織り交ざり説明臭くなっているところもあるが十分楽しめるだろう。
娘へのひたむきな約束が我を強くしていく。宇宙なのにSF感を減らしてるのはCGに頼らなかったノーランらしさだろう。未来特有の夢があまりないのも特徴だ。
TARSという人間を支えるメイドロボも人間的な形をしていないのもこの配慮だろう。
だが突然、え!こんな未来ならもっとなんかできるじゃん。とか思ってしまうギャップも生じるだろう。
インセプションでは夢の中の夢の中の夢・・・をみせてくれたノーラン。
本当におこりそうなSFをうまくかけているんだろう。

ただ含みが多すぎること、最後のオチの作り方がぶっ飛んで行き過ぎてて・・・となることは残念だった。SFと人間愛、アルマゲドンのような地球のためでありながら油臭い男らしさではなく、やさしき父として。それは人間として未来をどう残すのか次元を超えた物語。

<ややネタバレ>
毎日襲ってくる砂嵐。逃げ惑う人々。食物は枯れ、育たない大地。もう生きていくことが難しい未来。
そんな中なくなったはずのNASAは地球に変わる星を探していた。
それを見つけたのはクーパーだった。クーパーはその秘密裏のNASAの活動に協力するように打診される。
マーフは言っちゃ嫌だという。それでも地球の使命としてクーパーは旅立つのだった。
地球外に送られた選抜隊から届けられる3つの信号を頼りにワームホールへいく。
ワープしてついたその場所は重力時間によって1時間で7年を超えている。予想外の時間を過ごしたクーパらを
船で迎えたのは地球から届いた現実だった。留守録された動画は子供達が年をとっていくのがみえるのだった・・・

あらためて前を向き責任を全うしようとするクーパー船長。
次の信号へ行くのだが・・・

後半高次元になる。説明がすくなるだれも見たことがない世界を描いているので脳がものすごく痛くなる。
最初とつながる話もふくめ結局繋がったのだろうか?という疑問が残るがちゃんとオチはある。
後半ついていくのは必至だろうが、随所の映像表現は堪能できる映画だった

http://wwws.warnerbros.co.jp/interstellar/
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