映画「アヒルと鴨とコインロッカー」嘘から始まる本当の気持ちとは


伊坂幸太郎の同名小説の映画化

中村 義洋監督ということに見てる途中で気がついた。そうだ、同じく伊坂幸太郎のゴールデンスランバーでもメガホンを握った人だもの。伊坂マジックをよく理解して映画化されている。

あらすじ

椎名(濱田岳)は引っ越し先のアパートの隣人・河崎に「本屋で広辞苑を盗まないか」と誘われる。断りきれなかった椎名は本屋から広辞苑を奪う手伝いをさせられてしまう。その計画の後、河崎やペットショップの店長をしている麗子から2年前の話を聞かされることになる。

本もとっても面白くカットバックで2年前の物語が混ざっていく。とってもきれいに。
まだ読んでいない人のためにあまり触れないでおこう。その方が最後まで楽しめると思う。

濱田岳ということでとぼけてて、ピュアそうで、なんかに巻き込まれそうでと、みていて「何だろうこの映画」と思える導入である。河崎からそりゃ嘘だろみたいな話をふられてるのに信じてついていったりする。
この、そりゃ嘘だろっていうことに気がつくまでの心の揺れとか、河崎のなんだか不思議なストーリーと、ペットショップの女の話とか・・・なんだかもう何が面白いの?って思われるでしょうが
突如2年前の話となり全てが明らかになる。
椎名が気がついてから、ただからかわれているのかな?という心理からどんどんその世界にのめり込むだろう。

お笑い含めて心地よくなり始めてから、ガツんと吹っ切れる。嘘ではなく本当の部分に。

最後には本当に切なく、泣けていく。

映画ではボブデュランの「風に吹かれて」が。本ではライクアローリングストーンズがテーマとなり、ボブデュランは僕らの神様というテーマになるだろう。
アヒル、鴨、そしてコインロッカーまで一気に楽しんで見られる映画だ。