映画「バードマン」永遠なる1カット。主人公の葛藤はすべて見続けられる


アカデミー賞をコメディがとるというのはなかなか無いわけで、ブラックコメディとはいえ珍しいことのようだ。

主役をつとめるマイケルキートンはバットマン(ティムバートン版)で当たり役を射止めるものの、その後のヒット作に恵まれずに俳優生活も折り返しといったところ。「バードマン」はまさにバードマンというヒット作後にパッとしない俳優が葛藤の末、復活を賭けてブロードウェイの舞台に立つというところを描いている。

あらすじ

かつてスーパーヒーロー映画『バードマン』で世界的な人気を博しながら、現在は失意の日々を送る俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、復活をかけブロードウェイの舞台に立とうとしていた。
「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色、演出と主演を務める舞台だが、出演俳優が大怪我を負い降板。ブロードウェイの実力派俳優マイク・シャイナー(エドワード・ノートン)を迎えるが、その才能はしだいにリーガンの脅威となっていく。
疎遠だった娘サム(エマ・ストーン)には愛情は伝わらず、彼は気づかないうちに舞台の役柄に自分自身を重ねていく。精神的に追い込まれるリーガンを、“バードマン”までが扇情していく・・・

さて感想だが、ストーリーは特別なことはない。感情移入する人は実は少ないんではないだろうか。ある男の葛藤をその男目線で描いた。
これがバードマンの中身となる。TVCMなどででてくるバードマンのカットがヒーロー物のように扱われてるため、大変誤解をあたえてしまうだろうなぁと思う。ヒーロ物ではないオヤジ物であると付け加えておこう。

作品は主人公視点で出来ているために、好きか嫌いかはすぐに出てしまうということになる。
しかしまぁ、アントニオ・サンチェスのジ音楽がめちゃくちゃよい。始まりはドラムのテンポ、そして少しずつ深くなっていくんだ。これは見た人じゃなきゃわからないだろうな。ノイズがちゃんと音楽化してるんだよね。その音楽が世界に没頭させる。エンドクレジットにて最高潮になり、こりゃアメリカならスタンディングオベーションだなという作りになっている。
歩いてる時、Crazy(Gnarls Barkly)が鳴り響き高揚感は半端なくなる。
ワンカットで撮り続けたのかと思われるほど主人公目線のステディカム撮影は労力に見合ったすばらしい絵となっているし。

アメージングやらニューやらなんやらとどんどん生まれるヒーローたち。
まさにアメリカ映画へのアンチテーゼでもあるかもしれないね。

映像、音楽は満点の評価ができるだろうね

キートンといえばビートルジュースだよね?

http://www.foxmovies-jp.com/birdman/